人材争奪戦

 「2024年、Googleはひとりの研究者を呼び戻すために約27億ドルを投じた。生成AI「Gemini」の開発を率いる共同リード、ノーム・シャジールである。そのシャジールが、2年と経たないうちに、今度はライバルのOpenAIへ移る。6月18日に本人がXで表明した。  翌19日には、Google DeepMindからノーベル化学賞を受賞したジョン・ジャンパーがAnthropicへの移籍を表明。24日には、GoogleでGeminiの開発の中核を担ったヨーナス・アドラーとアレクサンダー・プリツェルの2人も、同じくAnthropicへ移る計画が報じられた。いずれもGoogleのAI開発の中枢にいた人材であり、わずか1週間で4つの頭脳が競合へと流れ出た格好だ」

 それに比べ日本はどうだ。良い人材でも会社に縛られ身動きできなくなっている。もし転職でも仕様なら「裏切り者」と呼ばれる。まだ「出る杭は打たれる」の風習が残る。

 「Anthropicが手にするのは1人の研究者だけではなく、ベンチマークの数字では買えない、科学分野での信用と象徴性である。同社は有力研究者を相次いで迎え、トップ人材の有力な受け皿の一つになりつつある」

 日本の会社にいる限りカリスマ的技術者は育たない。会社の組織がそれを許さないからだ。

「市場の反応は速かった。シャジールとジャンパーの発表を受けた6月22日、Alphabet株は一時約7%下落し、終値でも5%安。2,000億ドルを超える時価総額が、わずか1日で消えた。投資家は、トップ研究者の移動をフロンティアAIの将来競争力を測るシグナルとして読み始めている。「研究者が数人移っただけ」なのではない。数人の移動が、巨大企業の将来像を揺らす時代になったのである」

 うらやましい。技術者が企業価値を決定する時代。これはアメリカ、中国に共通するが、他の国は全く異なる。日本はこれでいいのだろうか?日本では、特許は発明者のものではなく、会社にあるとした。会社の金で発明したのだから、それは会社の財産と言うケチな考え方で技術者が渋々泣き寝入りしている様は、会社が技術者を奴隷として扱っていることを意味する。これでいいはずはないのだが。

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