ナイキの凋落

世界最大のスポーツウェア企業ナイキの株価が12年前に戻った。 中国事業が振るわない上に、アディダスやホカなどの競合に押されたためだ。ユーロモニターによると、ナイキのスポーツシューズの世界シェアは2022年の29.2%から昨年は22.9%と6.3ポイント落ち込んだ。ナイキの売り上げもこの2年間で約10%減少した。 ナイキにとって最も厳しいのは中国市場だ。CNBCによると、ナイキの中国事業規模は2021年以降で30%縮小した。これに対し中国スポーツウェア市場はこの5年間で51%成長した。コンデュイット・アジア創業者のウェイ・カン代表は「革新製品を出す速度が現地ブランドと競合会社より遅い」と診断した。ナイキのキャシー・スパークス中華圏担当副社長兼ゼネラルマネジャーは「再整備しないならばわれわれが望まない方向に滑り続けるだろう」と述べた。

ナイキは2017年以降、小売店への卸を大幅に減らし、「D2C(Direct to Consumer)」へと舵を切っていた。D2Cとは卸売や小売事業者を通さず、メーカーから消費者へダイレクトに販売する手法のこと。これが失敗の原因だとする人は多い。だが、これだけではなく技術戦略も見余ったとする見方もある。アディダス、アシックス、ミズノは、今でもスポーツ選手のために技術を磨いている。それに対し、ナイキは逆にファッションブランド化が戦略であった。それがブランドを棄損していったのではなかろうか?

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