この合成シリカ粉事業の展開についてここ2,3日ずっと考えている。天然石英粉は珪肺になって、肺がんを引き起こすと言ったところで、使用中止になるわけはない。それはCO2削減しなければ人類は絶滅すると言っている人がいる割に、経済のためには石油をどんどん掘れという人もいると同じだ。だから天然石英粉が危険だから禁止して合成シリカ粉を使えなどと言う法律はできるはずもない。ヒュームドシリカを水に溶かし、冷凍ー解凍法で合成シリカ粒子を作り真空溶融して合成の棒を製造していたことがあった。でも数年後に撤退した。その大きな原因は、そんなものを使う用途がなかったためだ。光学用にも使用できないし、半導体工程でそんなものを使う用途もなかった。日東化学は水ガラスから合成シリカの粉を製造していた。当時kg1000円は高く、天然で十分だった。それも撤退した。セイコーエプソンはゾルゲル法で合成石英ガラスを作った。今の東ソーと共同開発でフォトマスクやレンズの量産を目論んだが、失敗した。その原因は石英の無欠陥化が出来ず、コストも高かったからだ。三菱化学の合成シリカ粉は私が合成ルツボを開発し、8インチシリコンインゴットのボイド欠陥を解決できたために販売に道ができた。
こう考えてみると、合成シリカ粉を溶融した合成石英ガラスにはまず、無気泡が要求され、さらに低コストが必要である。でも一番重要なことはこれでないとだめだと言われる特性である。それは合成石英の特性調査と用途開発が必要だということだ。これをやるためにはある意味でのコンソーシアムが必要だ。それが私の結論だ。合成シリカを安く作るだけではだめで、溶融したもの特性を調査し、用途での実装試験をやる。合成石英ルツボの時は、私はシリコンの引き上げも詳しかった。その時、コマツ電子(現SUMCO)とも実験を共有した。おそらくそれをやるのは私しかいない。それがここ2,3日考えた結論である。
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