ABFは半導体パッケージ基板の中で、配線の層と層の間を電気的に絶縁する薄いフィルム状の樹脂材料だ。1層あたりの厚さは約10マイクロメートルで、配線どうしが意図せず電気を流して短絡するのを防ぐ役目だ。
味の素がABFを独占できた理由は、主成分であるグルタミン酸ナトリウムを製造する過程で生じる副産物・塩素化パラフィンにある。これが樹脂を柔らかくする性質を持つと分かり、樹脂材料の研究が始まった。研究を重ねた末、味の素はABFを1999年に商品化した。決定的だったのは、Intelが2000年代初頭にFC-BGAの標準絶縁材としてABFを採用したことだ。従来の絶縁材料より微細配線と相性が良かったため、PCの普及とともに採用が一気に広がった。
そしてガラスコア基板が次世代に控えている。これは現在の有機樹脂+ガラス繊維のところをガラスで置き換えるもので、厚さ0.1~0.3mmのガラスに上部にABFで回路を作る。この構造をインテルは2030年に実用化する。今はABFにガラス繊維を混ぜて使用しているが、この業界は進歩が激しい。面白い業界である。
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