サプリで寿命が減る

ニンジンやカボチャに多く含まれる「カロテン(βカロテン)」は、抗酸化作用がある健康成分として長く注目されてきました。とくに1990年代以前は「活性酸素を減らす」「発がん抑制に役立つ」と期待され、多くのサプリメントが販売されていました。しかし、その後の大規模臨床試験によって、この〝善玉〟は状況によっては逆効果になる可能性が明らかになったのです。
フィンランドで約2万9000人の中高年男性(とくに喫煙者、元喫煙者)を対象に行なわれた研究があります。研究の目的は、βカロテンとビタミンEの摂取ががん発症を予防するかどうかを調べることでした。
結果は期待に反し、βカロテンを摂取したグループのほうが肺がん発症率が高かったのです(とくに喫煙者で顕著)。
同様に、アメリカで行なわれた約1万8000人が対象の疫学調査でも、アスベスト曝露者や喫煙者にβカロテンとビタミンAを投与したところ、肺がんの発症率と死亡率が上昇するという結果が出たのです。

2007年にコペンハーゲン大学などの研究グループが発表した報告も、その事実を後押しするものでした。抗酸化サプリメント(βカロテン、ビタミンA、ビタミンE)を摂取している人は、摂取していない人に比べて寿命が短いというデータが示されたのです。

一方、食品由来の抗酸化物質(野菜・果物に含まれる自然のポリフェノールやビタミンなど)は、食事としてとる分には多くの健康利益をもたらすことが示されています。ルテイン(ホウレンソウ、アボカドなどに含まれる天然色素)などは、目の網膜に働きかけ、視力を向上させることもわかってきました。

これが本当なら、サプリに対してもっと厳格に対応すべきだろう。今はあまりにも緩い。

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