シャープ

シャープの液晶の衰退についての記事を見た。

「次世代のキーデバイスとして期待されていたシステム液晶(CG液晶)は、技術力の高さをアピールするのには役立ったが、事業としては失敗に終わった。特許でガードして製法を秘密にし、他社が作れないようにしたシャープだけの“オンリーワン”のデバイスだっただけに、逆に作り手は広がらなかった。シャープは次いで半導体エネルギー研究所と共同開発したIGZO(酸化物半導体)を使い、シャープしか作れない、低電力で高精細なスマホに適した液晶を実現したが、これも供給メーカーがシャープ1社しかないのが弱点になった。 シャープの広報担当者は「商品であればオンリーワンで良かったのでしょうが、デバイスではオンリーワンではダメだったんです。セカンドソースがないから結果的にロンリーワンになってしまいました」と説明した」

結局、シャープの破綻は経営者の問題だったわけで言い訳もできなかったわけだが。

私にはシャープで苦い思い出がある。もう30年以上も前の話だ。その頃のシャープは溶融シリカ焼結体の箱の中でポリシリコンを鋳込み太陽電池用の多結晶シリコンを作っていた。その各槽は東芝セラミックスから購入していた。私はこれをやろうと思って、黒崎播磨と提携して開発した。配合を決め、特性を計り問題ないとして試作品をシャープに送ったらOKだった。しかし、その1か月後くらいに角槽が割れたという。私はそれを聞いて何を言っているのだろうと思った。渡辺商行の営業担当の次長はシャープから注文があり、黒崎播磨と相談して在庫にあったテスト品を送ったのだそうだ。それが割れたのだ。私は割れた角層の破片を送ってもらい解析した。そうしたら粒度配合が全く違っていた。強度が低かったのだ。これを営業に言ったら、営業と黒崎播磨で決めて送ったことを認めた。シャープは私に来て説明しろというので行ったのだが、めちゃくちゃ怒られた。私はなぜ怒られたのか今でも理解できない。開発中は黒崎播磨ー渡辺商行ー楠和クオルツの商売であるが、量産化したら黒崎播磨ー渡辺商行の商売である。私の知らないところで行われたことに関し、私の責任はないのではないか。

AQMの社長をやっているとき、シャープは富山に単結晶引上げ工場を持っていた。AQMは石英ルツボをフェローテック経由で納入していたが、ある時、クレームが発生したという。行ってみたら石英ルツボの底にカーボンがついていたというクレームであった。知っている人はわかるだろうが、石英ルツボは強いフッ酸で洗浄され、梱包される。石英ルツボにカーボンなど付くはずはないのである。おそらく引上げ機に石英ルツボをセットするとき、ポリシリコンを入れるときにトラブルがあり、引上げ機から取り出したのだろう。それを作業員は石英ルツボにカーボンがついているので石英ルツボが悪いと嘘をついた。私は石英ルツボの工程を説明し、石英ルツボにカーボンが付くことはあり得ないと言ったのだが、フェローテックの営業がAQMで付いたと言って聞かなかったのである。営業がお客の味方をすることはよくあることだが、めちゃくちゃだ。

そんなこんだでシャープに対しては良い印象どころか悪い印象しかもっていない。

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