日曜日の朝はお風呂に入ってGYOの「アウトブレイク」というカナダのテレビドラマを見ていた。まさにコロナと同じ展開なのだが、今回のワクチンを開発した人たちのことを思い出した。報われるかどうかもわからない最先端の開発者は世界に多くいるだろう。その人たちのおかげで世界は変わっている。まさに日本が停滞しているのはそういう技術者が少ないからだ。名声やお金を得るためならそんなギャンブルのような研究はしない。彼らを動かしているのは社会的な意義を感じているからなのだ。
余姚の工場は、ハイスペック品の開発をおわり、ロースペック品を生産し始めた。これは私が望むものだった。天然石英を置き換えるということの社会貢献は大きい。やっとそこにたどり着いた。我々のロースペック合成シリカ粉は、天然石英とは比べ物にならないくらい高純度であり、コストはほぼ同等である。これによって半導体は変わるだろう、しかしそれよりも珪肺患者がいなくなるということが最もうれしいことだ。この技術は25年前に私が開発したものだが、60歳になって再びやり始めた。時代が追い付いてきた。しかしそれよりもこの業界に属して珪肺という問題を解決したいということを死ぬまでにやろうと決めたことが大きい。そのためには、誰も興味がわかない天然石英と同じ価格の実現ということをいかにやるかという難題があった。そのためにはタイミングを待つことが重要だ。チャンスが来るときまで完成させ、チャンスが来たら積極的に売る。しかし、普通の人はこれができない。チャンスが来る前に完成するということに注力しない。
日本の経済の停滞は目先の利益を優先してきたからだ。内部留保をため込み、やることといえば海外の企業を買収するのに使う。こうなったのはバブル崩壊からだ。結果として企業の社会性を失ってしまった。社会的使命が感じられなくなるとリストラや低給料となり、開発もすぐ利益を上げられるものだけになる。かの経営者である松下幸之助は企業とは社会貢献でありお金は後からついてくるものであると言った。こういう時代に戻らないといけないが。
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